TEENAGE KICKS

from 福岡 音楽×音楽×音楽!

【Vol.5】3月のお散歩Mix解説

約3年ぶり、5回目の投稿です。

ネットの深海に沈んで埋もれた、ガラス瓶の塵のような当ブログにて

KBCラジオSpotifyアカウントで公開された「3月のお散歩Mix」解説をさせて頂きます。

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KBC tours!【MAR. select】 - playlist by KBC RADIO | Spotify

 

”偉大なる音楽狂”S先輩の発案で開設された会社のSpotifyアカウントで展開中

KBCスタッフによる月間プレイリスト」3月編を依頼されたことが発端です。

 

「3月は季節もいいし、おさんぽ時に聴きたくなるような爽快なやつを頼む」とのオーダー。

 

そもそも私は暗いし、

休日の散歩といえば、O濠公園のベンチに座って焼酎ハイボール飲んじゃうし・・・

人選ミスです!

案の定、酔いの勢いで選曲した初案のプレイリストは、

素敵なホリデーを放棄してカーテンを締め切った部屋で聞くような退廃的なものとなりました。

(”三途の川下りMix"と名付けたプレイリスト、これはこれで良い仕上がりなので、

しれっと公開してます笑)

 

さて・・・

iTunesの中の曲をまとめるのに何か縦軸となるものが必要だ!と、

実際に散歩するときによく聞いている

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のサントラ曲を散りばめることに。

未来的な映像に70~80'sの曲が惜しげもなく使われ、

「やはり名曲は普遍だなあ」と思わせてくれる大好きな映画ですが・・・

サントラをそのままパクるのは芸が無さすぎるので、

転換のきっかけで使わせてもらってます。

入れる曲のジャンルや年代がグッと広がりました。ありがとうMARVEL!

 

紆余曲折を経て出来上がった「3月のお散歩Mix」、

何とか陽気な3月の昼下がりに合う選曲となっていると思います。

出会いや別れ・始まりや終わり・・・

一年で最も多感な時期であることも意識したので、

爽快ながらもセンチな要素が多分に含まれています。

というか、センチです。こじらせてます。捻くれてます。

結果、お散歩なのに吞みたくなるプレイリストが出来上がってしまいました。

すみませんS先輩、やっぱり人選ミスだったかもしれません!

open.spotify.com

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① "Hooked On A Feeling" / Blue Swede (1974)

映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.1」では、

主人公クイルが刑務所にブチ込められるという、酷なシーンで使われてます。

何と言っても、冒頭のウガチャカウガウガ!が強烈ですが、

好きなあの娘にゾッコン、ベリースイートな曲。

♪ア〜アア〜アア〜(ドンドン)フックドオンアフィーリン♪

”ドンドン”で拳を上下に2回振ってしまう。

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②You Shot Me Down In Flames / Nancy Nova (1978)

Apple Musicの「おすすめ」欄で知った、ユーロポップシンガーNancy Nova。

AIのリサーチパワー、侮っちゃダメですね。

まんまとハマって外国のレコ屋から盤を取り寄せました。

軽快な裏拍のカッティングギターが、散歩に合うことこの上なしでしょう!

パナソニック、ミツビシ〜♪と日本製を褒めちぎるディスコナンバー

Made in Japan」もおすすめ。

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③喫茶ホリディマジック / 浦朋恵 (2018)

サックス奏者:浦朋恵さんの”歌モノ”アルバム

「ザット・サマー・フィーリング」から。

ひたすら気持ちいいトラック・・でも・デモ・DEMO!

聴けば、深夜喫茶で悪い男に詐欺をふっかけられた生々しい歌詞!!

艶めかしい、いかにも悪男なゲストボーカル:カーネーション直枝政広さんとの掛け合いも最高です。

”へんてこな誘いに乗っかんなくて良かった♪へんてこな男に乗っかんなくて良かった♪”

勝手に詐欺防止啓蒙ソング。騙されなくて良かったです!

 

 

我當你空氣 / 旺福 (2018)

THE COLLECTORSがプッシュしたことで存在を知った台湾のバンド:旺福(ワンフー)。

モッズ直球の曲もあればテクノポップやアシッドフォーク調・・

変幻自在の楽曲の中で3月に合いそうな一曲をセレクトしました。

我當你空氣”・・Google翻訳にかけたら「私はあなたの空気です」と訳されました。

よくわかんないですけど、確かにふわふわしていて春を感じる一曲です。

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⑤銀河特急 / 冗談伯爵 (2021)

昨年のレコードストアデイ限定盤で発売された、松崎しげるのカバー曲。

清々しくってたまりません。

ロック漫筆家:安田謙一さんのDJでは「銀河特急」熱唱パフォーマンスが恒例で、

神戸で初めて見たあの夜、あまりの熱量に、

気付けばマイクパフォーマンスのケーブル引きやってました。

3密だったグッゲンハイム邸の夜が懐かしい・・・。

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⑥Go All The Way / Matthew Sweet & Susanna Hoffs(2009)

これまで5曲の流れを崩すヘヴィなドラム・イン!

以降、ちょっとパンクな曲が続きます。

映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」では

クランベリーズの楽曲が使われていますが、

敢えて!マシュー・スウィートによるカバーを入れました。

60年代以降のヒット曲をカバーした3部作

「Under The Covers」シリーズに収録されています。

Mott The Hoople「All The Young Dudes」、

The Beatles「And Your Bird Can Sing」のカバーも入れたかったけど断念・・。

ロックの参考書、もとい参考盤としても聞きごたえ十分!

「Under The Covers」は要チェックです。

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⑦Lookin 'for Love / Glo Macari (1971)

愛聴している北海道のコミュニティFM:FMしろいし

WILDEST GROOVIN' RADIO」でオンエアされるや唸った、青春合唱ガレージパンク。

歯向かいたいけど煮え切らない感じが最高。

きっと誰もが聴いたことあるであろう「Joy To The World」(Three Dog Night)と酷似してます。もしやこれ、元ネタ!?

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⑧June Gloom / The Like(2006)

メンバー全員、親が音楽業界の有名人であることから、

邦盤の帯文句は「サウンド・ルックス、

全てを兼ね備えた”ガールズセレブトリオ”が遂にデビュー」・・・

これだけ見ると、馬鹿明るい能天気ロックが想像されますが、

湿っぽくて絶妙に暗いのがイイ(笑)

デビューできたのは多少親の影響があるかもしれないけれども、

アー写から醸し出される気だるさと流し目に、確固たるPUNK精神を感じます。

(残念ながら2ndで解散・・・)

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⑨ヘイジョーク / SACOYANS (2021)

福岡発!至高のインディー・ロックを奏でるSACOYANSの新譜から一曲入れました。

公言されていますが、スマパンをはじめ90's オルタナの影響を受けた美轟音に

浮遊感を感じる日本語の響きがマッチしてひたすら心地よいのです。

個人的「BGMになり得ない音楽」のひとつ。

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Brandy (You're A Fine Girl) / Looking Glass (1972)

転換です。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol2」では、

劇中の重要なシーンで使われています。

地球の象徴、人間の象徴、愛情の象徴・・美しい曲なのに儚い。

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⑪Follow Me / The Shacks (2018)

”揺らぎ”をテーマに3曲選んでみました。

BOBBY OROZAやAARON FRAZERを輩出した個人的大注目のレーベル

「BIG CROWN」から2018年に発表された1st。

モダンソウル色が強いアーティストが多いなかで、

虚ろなドリームポップ&ノスタルジック!

20代による60年代ミュージックの解釈(爺ちゃん婆ちゃんの時代か?)、

とても興味深いです。

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⑭LEMONed I Scream / hide(1996)

X JAPANの故hideさんの楽曲を入れてみました!

ヘビメタではありません。手を交差させてジャンプするような曲ではありません。

紅にも染まりません。

hideさんは音楽の造詣が深く、ネオアコやシティポップ調の楽曲もあり、

何気にオリジナルアルバムは全部チェックしてるかも。

25年前の曲ですが、人懐っこさは褪せない。

 

 

⑮Every Time I Listen To a Stranger / The Glands (2018)

Yo La Tengoの推薦で知った、アメリカのインディ・バンド「The Glands」。

癌で亡くなったフロントマンの意志を繋ぎ、

デモテープをもとに2年の歳月をかけて作られたアルバム

「Double Coda」の中から一番好きな曲を入れました。

単調ではあるんですが、重ねられていく、ひとつひとつの音が優しい。

個人的に、コーラスが重なるところがピークです!

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⑯Calendar Girl / Stars (2004)

シメに差し掛かってきたので、燦然と輝く「大エモ曲」を2発。

Starsが2004年に発売した

「Set Yourself On Fire」のクロージングナンバーです。

高校時代、カナダのレーベル「Arts&Crafts」の音楽が流行ってたんですが

Broken Social SceneとかFeistとか)

その流れで聴いたStarsには、青春が詰まり過ぎて、

書き出すとキモのキリがないのでエモということでなんとか。

"Calendar girl who's in love with the world Stay alive!"

"November, December, all through the winter, I'm alive"

混沌としてる、殺伐としている、2022年3月にしみいる歌詞です。

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⑰You Are The Generation That Bought More Shoes And You Get What You Deserve / Johnny Boy (2006)

ロネッツ風ドラムから始まるドリーミーな曲なのですが、

「たくさんの靴を買って、欲しいものを手に入れる世代なんだよ!」と、

資本主義万歳の世に中指を立てたパンクな歌詞に痺れます。

政治色が強すぎて、1stアルバム発表後にレーベルを解雇されたとは、

皮肉にもSex Pistolsと同じ道を辿っています。

それにしても、曲名が長い(笑)!

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Mr. Blue Sky / Electric Light Orchestra (1977)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol2」のオープニング曲が

当プレイリストのエンディングです。

映画では、激しい戦闘シーンを背景に軽快なステップで踊るグルートが可愛らしい。

CMでもお馴染みの一曲なので、聞いたことある方多いと思います。

もう一回見たくなったな、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」!

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【Vol.4】Dr.John Plays Mac Rebennack

東京で過ごした大学時代、入り浸った店がある。

 

35mmの映写機があるカフェバーで、

元々フランスの大学で彫刻(だったと思う)を教えていたマスターが経営していた。

月に一回、気に入った映画をかけて、

上映後は映画にちなんだ料理とお酒を嗜みながら、

来場者みんなでざっくばらんに感想などを語り合った。

店の雰囲気が好きで居着いてしまった。

 

マスターは取っつきづらいオヤジだったけど、

悩みや納得がいかないことがあれば、

「店閉めるんで飲み行きますか」と連れ出してくれて、

終電オーバーは当たり前、

店に戻って、客席の椅子を二列に並べて寝た。

 

朝10時、上階の美容室から聞こえる

美容師お姉さんの"コツコツ"ヒール音が目覚まし代わり。

ボンヤリ店の珈琲を飲みつつ、店に居座る駄目生活を送った。

 

取っつきづらいマスターだったけど、人間味に惹かれてなのか、

常連さんは愉快の人ばかりだった。

オシャレには人一倍気をつかう80代の自治会長、

ワインがぶ飲み大学教授、ダンサー、

ナチュラリストで断固シャンプー反対の若者(カラオケ十八番はラルク

・・夜な夜なオモシロい人たちが募ったのも魅力の一つ。

ここで映画を学び、音楽を学び、人情を学んだ。

 

閉店後、外に繰り出さずに店の中で呑んだことが一度ある。

「疲れたときにに聞くレコード」として教えてくれたのが、

Dr.John Plays Mac Rebennack」。

A面もB面も、何も語らずジッと聞いた。

聞き入るマスターの背中が未だ強烈に目に焼き付いている。

 

愛すべき店が、今年6月に閉店することを知らされた。

東京五輪に関連した再開発による建物取壊しによるものだそう。

心の拠り所は、思い出となって形は儚く消えてしまう。

 

「再開発」

きっとたくさんの人を潤し幸せにするんだろうけど、

今回ばかりは恨めしいよ・・

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【Vol.3】Angkor Pop! / V.A

カンボジアガレージバンドによる、IGGY POPのトリビュート盤。2019年発売。

カンボジアには行ったことないけど、

灼熱トロトロの独自解釈パンクが、妙に心地が良い。

 

ギリギリサビで原型をとどめている、プノンペン発のガレージ歌謡バンド

CAMBODIAN SPACE PROJECTの「THE PASSENGER」は、

クメール語が放つ緩やかな魔術にかかったかのようにカラダがジワリいたぶられる。

PHNOM SKORの、ただただ絶叫「ANN」に、

カンボジア初のガールズパンクバンドSOU SOU BANDの「Monster Men」も◎

その他の曲もビミョーにズレていて、なぜだか「これぞパンク!」の境地に。。

 

熱狂的なイギーファンは眉をひそめるかもしれませんが、

これはこれでいいじゃん!愛くるしい1枚。

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【Vol.1】KISS / KISS

「KISS」/KISS (1974)

 

忘れもしない小学5年、

「長崎模型店」にプラモデルを買いに行ったあの日。

お店の一角に、KISSの名盤「ラヴ・ガン」ジャケットのパズルが飾ってあった。

何度も通った店だけど、それまでは気にもとめなかったパズルに、

脳天直下の衝撃を受けた。

白塗り化物4人組、カクカクのカッコいいロゴ・・・

お店の人に、それはなにかと尋ねたら、

レコードのジャケットであることを教えてくれた。

 

プラモをはるかに超える、得体の知れない衝動。

そのまま「遊ing」に足を運び、KISSのCDをレンタルした。

残念ながら「ラヴ・ガン」はレンタルされていたので、

一番ジャケットがカッコいいと思ったファーストアルバム「KISS」を借りた。

1曲目「Strutter」のドラムから、もうヤバかった。

ロックヴァージンを、KISSに献上。

以降22年、ずっとロックの熱病にうなされている!

Favotrite Track: #3「Fire House」 #8「Love Theme From Kiss」 

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